債務不履行は「契約」したことが基本となっている一方、不法行為は契約の存在を前提とせず、事故などのようにいきなり誰かから損害を受けた場合など、何らかの被害を被った場合に損害賠償請求の根拠として広く利用されています。
不法行為については、民法の第709条に定められています。
民法第709条 不法行為の一般的要件・効果
故意又は過失によりて他人の権利を侵害したる者はこれによりて生じたる損害を賠償する責に任ず
しかし何でも不法行為として認められるわけではなく、不法行為として認められるためには5つの条件があります。
1.行為者の故意・過失の存在
2.損害の発生
3.行為者の故意・過失と損害の発生との因果関係
4.違法性の存在
5.行為者の責任能力
以上を満たして初めて不法行為として損害賠償を請求できます。
被害にあった人を救済する目的で、直接加害行為を働いた人以外にも損害賠償を請求することが認められるケースがいくつかあります。
特殊な不法行為の責任者 |
責任無能力者の監督者 |
使用者 |
| 土地工作物の占有者・所有者 |
動物占有者 |
共同不法行為者 |
・責任無能力者の監督者
責任無能力者とは責任能力のない未成年者及び精神上の障害で自己の行為の判断ができない者を指します。
これらの者が加害行為を為した場合は、その監督義務者に損害賠償の責任が発生します
監督義務者には親や後見人の他に、それらの法定監督義務者に代わって監督する者、例えば保育士や学校の教員なども含まれます。
これらの者は監督の義務を怠らなかったことを証明すれば、その賠償責任から免れます。
・使用者
使用者とは会社などで従業員を管理監督する立場である経営者を指します。
従業員が職務上与えた損害は、その会社が責任をとることになります。
・土地工作物の占有者・所有者
例えば看板や屋根瓦が落ちてきて通行人が怪我をしたなどと言った場合には、その占有者や所有者がその責任を負います。
これらの場合、まずその占有者が責任を負うとされます。
占有者がその損害の防止に対して注意を払っていたと証明し、その責任を免れた場合は、所有者がその責任を負います。
所有者はその責任を免れることが出来ません。(無過失責任)
・動物占有者
動物占有者とはペットなどの飼い主のことです。
ペットの犬が他人を噛んだなどといった場合には、その飼い主に責任が及びます。
この場合も、管理について相当な注意をしていたときには、その責任を免れます。
・共同不法行為
複数人で他人に損害を加えた場合は、その個人個人が被害者に対してどれだけの割合で損害を与えたのか算定が出来ません。
そこで複数人で損害を与えた場合は、その全損害において全員が連帯して賠償の責任を負います。
A・B・Cの3名でZに対して300万円の損害を与えた場合、ABC各自100万ずつの責任を負うのではなく、各自全額の300万円の責任を負いう事になります。
被害者のZはABC全員の合計が300万円の範囲内で請求することが可能です。
Aに300万円請求や、A50万B150万C100万といった請求も可能です。
また共同不法行為の「共同」には直接の行為者以外に、教唆者(=そそのかした者)や幇助者(=手助けをした者)も含まれます。
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